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2025.07.15
神戸市で美容鍼施術を行う「幸成美堂鍼灸院」です。
夏なのに手足が冷たい、だるさが抜けない……。そんな経験はありませんか?
実は、夏の冷え性は、冬の冷え性とは異なる原因と対策が必要です。今回は、夏に潜む冷え性のメカニズムと、その改善策についてご紹介します。

私たちの体には、常に体温を一定に保つための素晴らしい機能が備わっています。これは脳の視床下部にある体温調節中枢が、熱の生産と放出を巧みにコントロールしているからです。
寒いときには血管を収縮させて熱を逃がさないようにし、暑いときには血管を拡張させて熱を放散します。
心臓から最も遠い足は、重力に逆らって血液を心臓に戻す必要があります。
このポンプの役割を果たすのが、ふくらはぎの筋肉です。長時間同じ姿勢でいるなど、足の筋肉を使わないでいると、血液の循環が悪くなり、足先に冷えを感じやすくなります。
特に女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、体が熱を作る力が弱く、冷え性になりやすい傾向があります。
夏はついつい冷たい飲み物や食べ物を摂り過ぎてしまいがちです。
これらは胃腸を冷やし、消化機能の低下を招きます。冷たい飲食物の摂りすぎは、体の中から冷えを進行させる大きな原因となります。
夏のオフィスや電車では、男性向けに設定された冷房が女性には強すぎることがよくあります。また、肩やお腹を出すような薄着は、体からの熱の放散を促し、体を冷やす原因となります。
女性ホルモンの分泌と冷え性には密接な関係があります。ホルモンバランスが崩れると、自律神経の働きが乱れ、血液循環がスムーズにいかなくなることがあります。
生理不順なども冷え性と関連している場合があります。
体の熱の多くは筋肉によって作られます。
冷えにくい体を作るには、筋肉量を増やすことが重要です。特に、体の筋肉の70%が集まるといわれる下半身を中心に、ウォーキングやスクワットなどの適度な運動を取り入れましょう。ふくらはぎの筋肉を鍛えることは、足の血流改善にも繋がります。
夏でも、できるだけ温かい食べ物や飲み物を摂るよう心がけましょう。温かいスープや、体を温める効果のあるショウガやニンニクなどを積極的に食事に取り入れるのがおすすめです。
冷たい飲み物は一気に飲まず、常温のものをゆっくり飲むなど工夫しましょう。
冷房の効いた室内では、カーディガンやひざ掛け、靴下などで体を冷えから守りましょう。
特に首、手首、足首の「首」は、体温調節に重要な部分なので、冷やさないよう意識してください。
シャワーだけでなく、湯船にゆっくり浸かることで、体を芯から温めましょう。
40℃以下のぬるめのお湯にみぞおちまで浸かる半身浴は、下半身の冷えに特に効果的です。20分以上浸かることでじんわりと汗をかき、血行が促進されます。入浴剤を活用するのも良いでしょう。
足の冷えがつらい時には、ツボ刺激も効果的です。
特におすすめなのは、足の内側にある「三陰交(さんいんこう)」というツボです。くるぶしの骨の一番上から指4本分上で、すねの骨のすぐ後ろにあります。
少し痛みを感じる程度に、親指で数秒間ゆっくり押すのを数回繰り返しましょう。鍼灸治療も選択肢の一つとして検討しても良いかもしれません。

左右の親指を重ねて、少し痛いぐらいに押します。息を吐きながら数秒押し、1回3~5秒ぐらいを目安に、1カ所につき3~5回ほど繰り返してみてください。
夏の冷え性は、単に寒いだけでなく、自律神経の乱れや生活習慣が深く関わっています。冷房による体の冷え、冷たい飲食物の摂りすぎ、運動不足による筋肉量の低下、そして女性ホルモンの影響などが複合的に作用し、体調不良を引き起こすことがあります。
夏でも体を冷やさない服装を心がけ、温かい飲食物を選び、適度な運動で筋肉量を増やすことが重要です。湯船にゆっくり浸かったり、足のツボを刺激したりするなど、日々の生活に「温活」を取り入れてみましょう。これらの対策を実践することで、夏の冷えから体を守り、快適に過ごせるはずです。